第230章

記者たちが無意識に後ろを振り返った。

私もつられて視線を向けると、長身で冷ややかな雰囲気を纏った立花謙一が、重圧感のある落ち着いた足取りで真っ直ぐにこちらへ向かってくるのが見えた。

彼が歩みを進めるたび、人波が自然と左右に割れて道を空ける。

その後ろには、坂東と金田輝真が無表情で付き従っていた。

立花謙一の姿を目にして、私は思わず首を傾げた。

今朝、彼はとても重要な会議があると言っていなかったか。

どうしてこんな時間にここにいるのだろう。

彼の姿を認めた記者たちが、次々とざわめき始めた。

「まさか、立花さん?」

「さっき婚約者って言ってたけど、もしかして小林紗夜が本当に彼の...

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