第232章

住所を聞き出すと、私と母は全速力で病院へ向かった。

到着した時、父はすでに手術室の中にいた。

赤々と点灯する手術中のランプを見つめ、母は堪えきれずに嗚咽を漏らして泣き出した。

「紗夜、お父さん……私たちを残して逝ったりしないわよね?」

「大丈夫だよ」

私は震える手で母を強く抱きしめ、廊下のベンチに腰を下ろした。

「お父さんはいつも周りの人に優しかったんだから、絶対に神様が守ってくれるよ」

それは母を慰める言葉であり、同時に自分自身への慰めでもあった。

『佐川先生、よくぞ来てくださいました!』

佐川先生?

その呼び名を聞いて、私は無意識に廊下の奥へと視線を向けた。

佐川元...

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