第234章

「先生、お怪我がひどいのですから、佐川先生からもベッドから降りないようにと固く言われているんですよ!」

病室の入り口に着くや否や、看護師が焦って引き止める声が聞こえてきた。

私は矢の如く部屋に飛び込んだ。そこには全身包帯姿で顔面蒼白の立花謙一が、歯を食いしばりながらベッドの柵を掴み、立ち上がろうとしている姿があった。

「立花謙一、何をしてるの?」

私の声を聞きつけ、立花謙一は勢いよくこちらを振り向いた。その黒い瞳にパッと光が宿る。

「紗夜」

彼が手を離して私の方へ歩み寄ろうとするのを見て、私は慌てて駆け寄り、その体を支えた。

「目が覚めたばかりなのに、どうしてそんなに無理をする...

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