第24章

別荘に戻るなり、私は屋敷の中へ駆け込んだ。

両親が入ってくる前に、ケンの私物を納戸へ隠さなければならない。

だが、共有スペースを見回しても、彼の物は見当たらなかった。

もしやと思い、ケンが使っていた客室のドアを開ける。

案の定、荷物はすべてそこにまとめられていた。

私はほっと胸を撫で下ろした。

ケンは私が思っていた以上に弁えているようだ。

私は隠す手間が省けたことに感謝しつつ、客室に鍵をかけた。

「紗夜、何をそんなに慌てているの? 少しは私たちを待ちなさいよ」

リビングに戻った途端、母さんの小言が飛んできた。

私はとっさに嘘をつく。

「ちょっとお腹が痛くて」

「腹痛か...

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