第25章

立花謙一と同じ部屋で過ごすのは、本当に久方ぶりのことだった。

そのせいか、一晩中まったく眠気が訪れなかった。

かといって、寝返りを打って彼を起こしてしまうのも憚られ、私はただ天井を見つめたまま、白々と夜が明けるのを待つしかなかった。

空が白み始めると同時に、私は逸る気持ちを抑えきれずベッドを抜け出した。両親がまだ寝静まっているうちに身支度を整え、車を飛ばしてバレエ団へと向かう。

早朝ということもあり、団内にはまだ人の気配がほとんどない。

私はまっすぐに小さなレッスン室に入り、音楽をかけてウォーミングアップを始めた。

セミファイナルの課題曲は決まっている。

だが、振付の難易度は個...

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