第252章

「紗夜にそんなことを言ってどうするんだ!」

立花のお爺様は不満げな顔で、立花のお婆様の言葉を遮った。

私の方へ振り向くと、すぐさま声のトーンを和らげた。

「紗夜、今夜君を呼んだのは確かにわしの意思だ。あのお婆さんが馬鹿な真似をしてな。謙一が腹を立てて口論になり、その挙句、立花家の身分を捨てるなどと心にもないことを言ってしまったんだ」

「謙一のことは幼い頃から見てきた。あいつがどんな性格かはよくわかっている。だからこそ、君に説得を頼みたいんだ。衝動的な真似はしないようにな」

私は立花のお婆様をちらりと見た。彼女は私を見つめたまま何も言わず、これも彼女の意思なのだと理解した。

少し考...

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