第27章

私は立花謙一に視線をやり、彼が周防春香を見つめているのを確認すると、皮肉を込めて、けれど淡々と言い放った。

「私が目を覚まして、がっかりした?」

周防春香が勢いよく私を睨みつける。瞳の奥に苛立ちが走ったのが見えた。

だが、それは一瞬のこと。彼女はすぐに、か弱き被害者の仮面を被り直す。

「紗夜さん、せっかくお見舞いに来たのに、どうしてそんな酷いことを言うの?」

「小林紗夜、口を慎め」立花謙一も彼女に加勢する。

私は冷ややかな視線を二人に送った。

「彼女に殺されかけたのに、どうして私が態度を改めなきゃいけないわけ?」

「紗夜さん」周防春香は信じられないといった表情を作る。「黒を白...

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