第284章

「立花謙一!」私は思わず彼の手を強く握りしめ、焦燥に駆られながら声を絞り出した。「ヴィシャの身に何か起きたみたい」

立花謙一も私の電話の音声に気づいていたようで、すでに坂東に連絡を取っていた。

私の言葉を聞くと、彼はまず落ち着くようにと視線で合図してきた。

「ああ、今すぐそっちに向かう」

私は彼をじっと見つめた。その言葉を聞いた瞬間、背筋がピンと伸びる思いだった。

彼が電話を切るのを見計らい、私は矢継ぎ早に問い詰めた。

「ヴィシャの居場所は分かったの?」

立花謙一はスマートフォンを下ろした。「ヴィシャは何者かに目をつけられたようだ。坂東がすでに人を連れて救出に向かっている。心配...

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