第30章

衣装に着替え、メイクも完璧に仕上げた私は、控室の椅子に座ってモニターを見つめていた。画面の向こうには、熱気に包まれたホールの様子が映し出されている。

今回のコンクールは、かつてないほどの激戦だ。予選を勝ち抜いたのはわずか五十名。ここからさらに六割が振るい落とされる準決勝を経て、決勝の舞台に立てるのはたったの二十名しかいない。

経験豊富で実力者揃いの五十名の中から頭角を現すのは容易ではないし、三名の審査員から高得点を勝ち取るとなれば尚更だ。

くじ引きの結果、私の出番は二十三番に決まった。

悪くない順番だ。審査員の集中力もまだ途切れていない頃合いだろう。

隠し球として用意した高難易度の...

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