第33章

そこでようやく合点がいった。立花謙一は、立花のお祖父様に連れられてきたのだと。

「お祖父様、どうしてここに? 先生から退院の許可は下りたのですか?」

立花のお祖父様は意に介さない様子だ。

「わしは平気じゃ。周りが大袈裟なだけだ。わしに何かあったらと、びくびくしおって」

彼は怒ったように立花謙一を睨みつけた。

「昨日この馬鹿垂れが退院を許してさえいれば、わしは間違いなく会場でお前の晴れ姿を見ていたものを!」

立花謙一は冷ややかな顔で弁解する。

「現場は混乱して危険だったんだ。心臓に悪い。それに、テレビ電話を繋いで見せただろ」

私は呆気に取られた。まさか彼が会場に行ったのは、周防...

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