第36章

立花グループ本社。

受付の女性に来訪の目的を告げ、立花謙一への内線をお願いした。

「申し訳ございません。私どもには立花へ直接おつなぎする権限がなく、連絡できるのは補佐の者までとなっております」

私は頷いた。

「構いません。つないでください。私が話します」

すぐに電話がつながった。

「坂東補佐、お客様がお見えです。ご自身でお話しされたいとのことで……はい、少々お待ちください」

受付の女性が受話器を私に渡してくる。

「もしもし、小林紗夜です。立花のお祖父様から預かり物がありまして。下まで迎えに来ていただけますか?」

自分の用事で来たと言えば、立花謙一は前回同様、居留守を使うに決...

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