第38章

ホテルのレストラン。

「紗夜」

レストランに足を踏み入れると、先輩の周防玉輝が席から手を振っているのが目に入った。

席に着くなり、彼はからかうように笑った。

「今日が決勝の日程発表だって知ってて、わざわざ俺を訪ねてきたのか?」

私はクスリと笑った。

「まさか。ただの偶然ですよ」

周防玉輝は私にぬるま湯を注いでから、こう言った。

「決勝は来月上旬だ。今回は世界中のバレエ団から代表が出席することになっている。君が一番行きたがっていた、ロイヤル・バレエ団も含めてな」

それは予想外の知らせだった。

「どうして今回はそんなに特別なんですか? これまではバレエ団の代表なんて来なかった...

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