第49章

けんがまるで立花謙一を庇っているかのような口ぶりに、私は手を下ろして冷ややかに問い返した。

「その言い方だと、立花謙一の言葉にはまだ裏があるってことかしら?」

「そういう意味じゃない」

自分の口調がまずかったと気づいたのか、けんは慌てて言い繕う。

「俺が言いたいのは、十年の付き合いがある男が、そんなひどい仕打ちをするはずがないってことだ。何か誤解があるんじゃないか……」

「誤解なんてないわ」

私はきっぱりと彼の疑念を否定した。

そしてスマートフォンを取り出し、周防春香から送られてきた二件のボイスメッセージを順に再生して聞かせた。

たちまち、けんの表情が強張った。

全身から、...

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