第59章

私は立花のおじい様より一足先に、医師のもとへ歩み寄った。

「先生、彼の具合はどうですか?」

医師はマスクを外し、一度おじい様に視線を送ってから私に答えた。

「頭部を強打しており、五針縫いました。脳震盪の可能性も否定できません。今夜は入院して経過観察を行い、明日の検査結果を待つことになります」

五針も!

心臓がぎゅっと縮み上がるような思いだった。どれほどの激痛だったことか。

「それで、孫はいつ頃目を覚ます?」

立花のおじい様が沈痛な面持ちで問いただす。

「なんとも言えません。一時間後かもしれませんし、明日の朝になるかもしれません。患者本人の体力次第ですね」

おじい様は頷き、執...

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