第67章

怒りに顔を歪める立花謙一を見つめながら、私は心臓を氷水に浸されたような感覚に陥った。骨の髄まで凍りつくような寒気が、瞬く間に全身を駆け巡る。

「立花謙一、ずっと聞きたかったことがあるの」

「どうして私が何度説明しても信じてくれないのに、周防春香が少し惨めなふりをして涙を見せるだけで、彼女の言葉を鵜呑みにするの?」

「私たちが一緒にいたこの十年は、一体何だったというの? 私への最低限の信頼さえ持てないほど、この十年の日々はあなたにとって忌まわしいものだったの?」

「お前もわかっているじゃないか、十年だと」

立花謙一は冷ややかな嘲笑を浮かべ、じりじりと私に迫ってきた。

その瞳の奥にあ...

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