第69章

無意識のうちに、私はスカートの裾をぎゅっと握りしめていた。

ほんの数秒の間に、脳裏にはいくつもの最悪な結末がフラッシュバックする。

「どうした?」

立花謙一もまた、私の異変に気づいたようだ。

視線が私の手元に落ちたのを見て、悟られまいとスカートの皺を伸ばすふりをする。

「なんでもないわ。ただ、ちょっと昔のことを思い出していただけ」

「どんなことだ?」

私は顔を上げて彼を見た。

薄暗い車内でも、その整った目鼻立ちははっきりと見て取れる。

「立花謙一、あなた、まだ私に隠していることがあるんじゃない?」

立花謙一の瞳が深淵のように暗くなる。

「何が聞きたい? はっきり言え」

...

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