第70章

その答えは意外だった。

「立花家のボディーガードが、どうして先輩を傷つけるんですか?」

周防玉輝は苦笑した。

「僕も知りたいよ。ホテルでおとなしくしていたのに、どうして立花家を怒らせてしまったのか」

「周防玉輝!」

突如、背後から立花謙一の怒声が響いた。

振り返ると、入り口に彼が立っていた。大柄な体躯が光を遮り、逆光の中で黒い影となっている。

目に見えない圧迫感が押し寄せてくる。

私を見ると、立花謙一の冷淡な表情が一瞬にして強張った。

全身から濃厚な殺気が立ち上る。

「立花謙一、あなた……」

私の言葉が終わるのを待たず、立花謙一は風を切るような勢いで拳を振り上げ、周防玉...

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