第80章

立花本家。

私と立花青葉が門に到着し、車から降りようとしたその時だった。

隣のスペースに、立花謙一の車が滑り込んできた。

すぐさま車を降りた彼は、迷うことなく私の助手席のドアを開け放つ。

「行くぞ。一緒に入る」

差し出された手を見つめ、私はゆっくりと自分の手を重ねた。

触れた瞬間、掌は包み込まれ、強引なほど強く握りしめられる。

傍らで立花青葉が舌打ちをした。「兄さん、気が利くじゃない。さっさと義姉さんと入ってよ」

彼女の口から出た「義姉さん」という響きに、心臓が大きく跳ねた。

中には立花のお爺様だけでなく、他の年長者たちも揃っているはずだ。

家宴に出席したことを、私は少し...

ログインして続きを読む