第83章

まさか周防春香が、ずっとそんな魂胆を持っていたとは思いもしなかった。

彼女の周到さに比べれば、私の考えなどあまりに甘すぎたのだ。

「勝ったのに、まだ私に何か用?」

周防春香は私を値踏みするように見回し、笑みを浮かべた。

「もちろん、あなたに自慢しに来たのよ。それから、お礼も言っておこうと思って」

「あなたのおかげで、私がどれだけ謙一にとって重要か、はっきりとわかったから」

これ以上聞きたくなくて、私は背を向けて屋内へと歩き出した。

「小林紗夜、もう二度と謙一には近づかせないから!」

背後から投げつけられた周防春香の警告に、私は答えなかった。

ただひたすらに、足早に歩く。

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