第84章

自分の抱いた疑念に、思わず失笑してしまった。

今頃、立花謙一は周防春香や立花青叶たちに付き合って買い物をしているはずだ。わざわざ私のところへ来るはずがない。

翌日。

国際バレエコンクールの決勝が、ついに幕を開けた。

大劇場の中は眩いばかりの光に満ち、まるで流れる銀河のように、舞台の隅々まで降り注いでいる。

審査員は準決勝の三名から一気に十名へと増員された。

そのうち七名は、名だたるトップバレエ団の代表者たちだ。

私には見覚えのない顔ばかりだが、彼らは皆、周防玉輝のことを知っているようだった。

席に着く際、誰もが自ら彼に握手を求めていく。

最後の一人が周防玉輝と握手を交わした...

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