第96章

立花の祖父を一瞥したが、その顔に喜びの色は微塵もなかった。それでも、立花家の体面を保つため、彼は自ら歩み寄っていった。

「来たか」

立花の祖母は冷ややかに頷くと、祖父の肩越しに視線を投げ、私を真っ直ぐに見据えた。

その眼差しには、隠しきれない敵意が宿っている。

私は眉をひそめた。彼女とは三回も顔を合わせていないし、会っても挨拶程度の仲だ。

なぜ突然、これほど敵視されるのか?

だが次の瞬間、周防春香の勝ち誇ったような顔を見て、合点がいった。

彼女が裏で糸を引いているに違いない。

「お祖母様」

その時、立花謙一も歩み寄り、祖父の隣に立った。

意識してか無意識か、ちょうど私の姿...

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