チャプター 38

オードリー視点

完全なカオスの中で目を覚ました。頭が削岩機のようにガンガンと痛む。

目を開けてまず気づいたのは、どういうわけかベッドの逆側で寝ていたこと。頭はフットボードに、足はシーツに絡まっていた。

「うぅ……」口の中に綿でも詰まっているかのような感覚に、私は呻いた。

ナイトスタンドに水の入ったグラスを見つけ、必死に手を伸ばして一気に飲み干した。

水が喉を滑り落ちていく感覚は、まるで救いのようだった。

携帯を掴むと、フィンリーからの不在着信が十数件も入っていた。

こめかみを揉みながら、彼に電話をかけ直す。

「オードリー! ああ、やっと出てくれた!」フィンリーの声は心配で張り詰めていた。「大...

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