チャプター 40

クララ視点

私はレストランの隅のボックス席に座り、オードリーが申し訳なさそうな笑顔を顔に貼り付けて駆け込んでくるのを見ていた。

「ごめん、クララ。遅れちゃった」

オードリーは私の向かいの席に滑り込み、ハンドバッグを椅子の横に置いた。「ちょっとギャラリーで手間取っちゃって」

「気にしないで。私も今来たところだから」

ウェイターがメニューを持って近づいてきて、飲み物を注文するか尋ねてきた。私が白ワインを頼もうとした矢先、オードリーはすぐに首を横に振った。

「お水だけでいいです、ありがとう」彼女はそう言うと、その目には一瞬、警戒の色が浮かんだ。

「珍しいわね。あなたがお酒を断るなんて」私は興味津々...

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