チャプター 48

オードリー視点

スマホの画面に表示されたドロシーからのメッセージを、私は見つめた。驚きはしたものの、深く考えずに明るく返信する。

「ええ、もちろん。あなたとアートについて語り合えるなんて光栄です」

『完璧ね!』ドロシーの返信からは、興奮が伝わってくるようだった。『明日のノアのレッスンの後で会いましょう。誰か迎えを寄越すわ』

「そんなご面倒をおかけくださらなくても、自分で――」そこまで打ち込む前に、彼女の次のメッセージがポップアップした。

『決まりね! 明日会えるのを楽しみにしているわ、あなた』

スマホを置き、私は笑みを抑えきれなかった。

ドロシー・ソーントンの、嵐のように物事を決めてしまう性...

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