チャプター 80

オードリー視点:

ベイリー邸の外に出ると、冷たい夜気が肌を打ち、混乱した思考にわずかな明晰さをもたらしてくれた。

レンガの壁に寄りかかり、煙草を一本取り出すと、携帯電話に手を伸ばした。

ほとんど使わない連絡先までスクロールし、メッセージを作成した。

「この電話番号(ブランドンの番号)にリモートアクセスし、すべての写真と動画を削除。特に問題のあるコンテンツを」

送信ボタンを押し、冷たい空気の中へと煙を吐き出した。

数秒も経たないうちに、携帯が震えて返信を知らせた。

「受信」

ふと、キャスパーがまだ車で待っていることを思い出した。

いまいましげに唸り、レンガの壁に煙草を押し付けて火を消すと、吸い...

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