第10章

そう考えると、林田朔夜は相馬晴の挑発に取り合わず、パソコンで整理済みの資料を呼び出してメールで送った。

「整理した資料はこれ。先に目を通して。元データは――何を言われても無理。今あなたに渡すのは規程違反だから」

相馬晴は白い目をくれて去っていく。取り残された林田朔夜は自席でモニターの設計図を見つめ、黙って考え込んだ。

だが、意地を張って出さないままでは、いずれ行き詰まる。

藤原承弦が圧をかけてくるかもしれないし、名目上のプロジェクト責任者である相馬晴だって、表も裏も使っていくらでも足を引っ張れる。引き延ばした挙げ句、「機密を隠している」「流出させるつもりだ」と噛みつかれる可能性すらあ...

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