第102章

黒のビジネスバンが、高速道路を滑るように走っていた。

林田朔夜は後部座席に座り、萌子と一辰が左右から寄り添っている。

「お兄ちゃん、会いたかったぁ」

萌子が甘えるように言いながら、一辰のほうへこてんと頭を傾けた。

一辰はまだ小さいくせに、どこか冷めた顔つきだ。返事はしない。ただ小さな手をそっと伸ばして、萌子に握らせた。

小さな手と、もっと小さな手。重なった指先が、じんわりと温かい。

その光景を見下ろし、林田朔夜は口元をわずかに緩めた。

「ママ」

萌子がふいに顔を上げる。瞳がきらきらしていた。

「今日ね、病院でイケメンのおじちゃんに会ったの! すっごくかっこいいおじちゃん! ...

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