第104章

高橋社長は柳川夏苑を連れて、再びテニスコートへ戻った。

だが、少し教えたところで柳川夏苑は「運動量が多すぎて、ちょっと疲れました」と理由をつけ、休憩したいと言い出す。

高橋社長も、彼女に別の狙いがあることくらい分かっていた。けれどあえて突っ込まず、彼女の流れに乗って休憩スペースへ向かった。

腰を下ろすなり、柳川夏苑が口を開く。

「高橋社長、本日はご指導ありがとうございました」

グラスを持ち上げて一口飲み、横目で彼を見る。誠実さがちょうどよく滲む声色だ。

「もう時間も遅いですし……よろしければ、お食事をご一緒しませんか? 私がご馳走します」

「いやいや」

高橋社長は手を振った。...

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