第106章

彼は彼女たちを連れて山道を上りながら、ここ数年の出来事を途切れ途切れに語った。

「藤原さんがずっとお金を出してくださってね。林田家のお墓の掃除と、定期的な花の入れ替えを頼まれてたんです」

「それから特に念を押されました。林田嬢のお墓には、毎日マーガレットを一束供えるようにって」

男は林田朔夜をちらりと見て、言いかけて口をつぐんだ。

若い者同士の愛憎なんて、他人が軽々しく口を挟めるものじゃない。

「ありがとうございます。あなたも……お父さまも。うちの墓所をずっと守ってくださって、秘密まで抱えてくれて」

林田朔夜は心から頭を下げた。

「いえ、当然のことです」

おじさんの息子は照れ...

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