第112章

雲おばさんの胸の奥に、まだ不安が引っかかったまま――そのとき、萌子のうるうるした大きな瞳が、まっすぐ自分を捉えた。

心臓がきゅっと縮む。

「お姫ちゃん、これは大人の話なの。ちょっと複雑でね」

「ママに連絡して、ママに任せよう? ね?」

萌子は首をぶんぶん、でんでん太鼓みたいに振った。

「イケメンおじちゃんが悪いおばさんに連れていかれたら大変! 今すぐ行かなきゃ!」

雲おばさんの顔が、くしゃっと歪む。

アダムはもともと、あの先生が気に入らない。そこにお姫ちゃんまで連れていったら――。

「お姫ちゃん、この件に巻き込めないわ」

「ママに知られたら、私、許してもらえないもの」

「...

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