第113章

藤原承弦は彼女の様子を見て、胸の奥のどこかがふっと柔らかくなるのを感じた。

「いや、夏苑。萌子は人見知りなんだ」

「毎年、誕生日に付き合えるわけじゃない」

彼は小さく笑って、通話を切った。

萌子は長く息を吐いた。

小さな顔を見上げて言う。

「おじさん、どこでごはん食べたい?」

「俺の食べたいものでいいのか?」

藤原承弦は甘やかすように笑った。

「うんっ。萌子、お年玉いーっぱいあるもん!」

胸を張ったその顔は、まるで小さなペンギンみたいだ。

藤原承弦は運転手に位置情報を送った。

到着して、雲おばさんと萌子は目を丸くする。

――ここ、子ども向けの遊園地じゃない。

「ま...

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