第118章

萌子が手を洗って戻ってくると、林田朔夜はその小さな身体をひょいと膝に抱き上げ、やわらかく問いかけた。

「萌子。今日はどうして、お庭のお婆さんにお話してあげようと思ったの?」

萌子は母の胸に頬を寄せたまま、ぽつりと答える。

「おばちゃんがね、お婆さん、もうすぐいなくなっちゃうって言ってた」

それから、少しだけ声を弾ませた。

「だから、いなくなる前に、ちょっとでも楽しくなってほしくて。お話してたらね、お婆さん、笑ったんだよ」

林田朔夜は目を伏せ、娘のきらきらした瞳を見つめる。胸の奥に、じんわりと温かいものが満ちていった。

この子はいつだって小さな太陽みたいに、行く先々で誰かを照らす...

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