第125章

萌子が涙をこぼした瞬間、藤原承弦は胸を握り潰された気がした。

慌ててしゃがみ込み、大きな手で不器用に彼女の頬を拭う。

「萌子、どこか痛いのか?」

声は、壊れ物に触れるみたいに慎重だった。

「萌子、ケガしてない……」

しゃくり上げながら言うのに、涙は止まらない。

「イケメンおじちゃん、電話したのに出てくれなかった……」

「萌子、ビルの外でずーっと、ずーっと待ってた……」

息が詰まって言葉が途切れ、小さな身体がひく、ひくっと震える。

藤原承弦はたまらず彼女を抱き上げ、背中をそっと叩いた。まるで、割れやすい宝物でもあやすように。

「全部おじさんが悪い。もう二度と、萌子の電話を取...

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