第132章

「萌子はママとおばちゃんのそばにいたい」

「ママ……ここにいさせて?」最後のほうは、萌子の声がふるえて、喉の奥で詰まった。

「イケメンのおじちゃんに会いたいだけでしょ」林田朔夜が、容赦なく核心を突く。

「残ったとしても、もう二度と会わせないから」

「どうして!」萌子が、ぱっと泣き出した。

「萌子、あの人が好きなの! 萌子にすごく優しいもん!」

娘の頬を伝う涙を見て、林田朔夜の胸が刃物でえぐられたみたいに痛む。

どうして。どうして、よりにもよって――あの男なの。

口を開いたのに、言葉が出ない。結局、沈黙だけが落ちた。

泣いても無駄だと分かったのか、萌子はさらに声を上げて泣いた...

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