第136章

柳川夏苑はさっと血の気が引き、震える声で怒鳴りつけた。

「でも……あなたたち、言わなかったじゃない! あいつがDV男だなんて!」

「前の奥さんがDVで死んだことだって、知ってたくせに!」

そこまで言った瞬間、彼女の目はさらに毒々しく濁った。

本当は、ヨーロッパに嫁ぐことに憧れがなかったわけじゃない。

ルーカスの写真も見た。絵に描いたような金髪碧眼の美形で、身長は190。雰囲気だって藤原承弦に引けを取らない。

当時、藤原のお婆様も、承弦の母である瀬戸淑枝も、夏苑が承弦と一緒になることに必死で反対した。

自分の家柄も弱い。藤原家に嫁ぐなんて、最初から望み薄だった。

そんな時、家に...

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