第138章

赤井弦子は反射的にそちらへ視線を向け、相手の顔に目を落とした瞬間、ぽかんとしてしまった。

大学生みたいな顔立ちに、ふわふわで柔らかそうな髪。

――この人が、責任者?

なぜだか、サモエドが頭に浮かぶ。

いや、ほんとに。見た目も声もサモエドっぽい。思わず撫でたくなるというか、もふっと触りたくなるというか。

彼は、弦子がずっと自分の顔を見ているのに気づいたらしく、ふっと笑った。

「俺の顔、何かついてます?」

「あっ、すみません。ちょっと考え事してて」

見られていたと気づいた途端、弦子の頬がかっと熱くなる。

深呼吸して気持ちを整え、堂々と手を差し出した。

「はじめまして。赤井弦子...

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