第143章

藤原お婆様の命が、指の隙間からさらさらと零れていくのを感じた瞬間、林田朔夜は口元を押さえ、声を殺して泣いた。

藤原承弦は何も言わずに立ち上がり、淡々と後の段取りへ移る。控えていた者を呼び、大奥様の身支度を整えさせた。

朔夜は脇に立ったまま、安らかな顔が少しずつ整えられていくのを見つめる。胸の奥が、すうっと空洞になっていくようだった。

ほぼ同じ頃、SKグループは大奥様逝去の報を公表した。

生前、彼女は財界でも名の知れた存在だった。訃報は瞬く間に広がり、追悼と弔意が相次ぐ。お別れの会と葬儀は、今週末に執り行われることになった。

大奥様を斎場へお送りした頃には、すでに深夜だった。

林田...

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