第157章

追悼会の会場は別荘地からそう遠くなく、林田朔夜は車で三十分ほど走るだけで着いた。

駐車を済ませると、帽子、マスク、サングラス――全部きちんと揃っているのを確認してから車を降りる。

俯いたまま入口へ早足。赤井弦子を見つけて連れ出す。それだけだ。ここに一分たりとも長居したくない。

……なのに。

数歩も進まないうちに、エレベーター前で待っている藤原承弦が目に入った。

気づいている。こちらを、まっすぐ見ている。

頬は少しこけ、目の下に薄い青が浮いていた。

林田朔夜は足を速め、声を落とす。

「弦子は?」

「来たんだな」

藤原承弦は問いに答えない。掠れた声。瞳の奥に、言葉にできない何...

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