第169章

林田朔夜は頭痛をこらえながらオフィスの椅子に沈み、指先で無意識にペンをくるくる回していた。

今日は――全員が帰ってから、自分も出よう。そう決めていた。

ぶるぶる、とスマホが震える。

手に取って画面を見ると、見知らぬ番号からのメッセージがいくつも届いていた。

「恥知らずの浮気相手! 罰が当たれ!」

同じような文面が、次から次へと流れ込んでくる。ハエみたいにしつこくて、鬱陶しい。

林田朔夜は眉をひそめた。

帰国してからの番号を知っている人間はほとんどいない。スタジオ内でも、知っているのはセブンだけのはずだ。

――誰が、こんな意味不明な嫌がらせを?

ふと、脳裏にひとりの顔が浮かぶ...

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