【第23章】

林田朔夜は、鼻で笑うように短く嘲ったあと、枕に背を預けた。

身体を横にして、目を閉じる。

――疲れていた。

眠りに落ちかけた、その時。

スマホの画面が、またぱっと点いた。

藤原承弦から、着信。

朔夜は手を伸ばし、スマホを裏返してサイレントにすると、もう一度目を閉じたまま、静かに眠りへ沈んだ。

A市、藤原家。

政略結婚の披露宴を目前に控え、藤原承弦と宮本奏夢は藤原本家で礼服の試着をしていた。

藤原承弦は姿見の前の椅子に腰を下ろし、仕立て屋が床に膝をついて裾を詰めている。

宮本奏夢はシャンパンゴールドのドレスに身を包み、少し離れた場所で別の仕立て屋にウエストラインを直してもら...

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