【第33章】

藤原承弦は彼女の言葉を聞くなり、黙ったまま眉をひそめた。

林田朔夜は彼の表情など気にも留めず、そのまま車に乗り込む。

藤原承弦はその場に立ち尽くし、回転ドアの向こうへ消えていく背中を見送った。

顔色は、ひどく暗い。

午後二時。会議室。

木下社長はスクリーンの前に立ち、手のひらは汗でびっしょりだった。

昨日、林田朔夜に真っ向から切り返されて面目を失い、夜通しで数字を洗い直したのだ。

財務部の連中は徹夜。今朝提出された資料は、印刷したばかりの熱がまだ残っている。

「藤原社長、林田補佐……こちらが整理し直した第4四半期のデータです……」

声が硬い。

「……お二人で、ご確認を……...

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