第40章

藤原のおばあ様の部屋は、しんと静まり返っていた。

ベッドに横たわるその顔色はまだ少し青白い。けれど、林田朔夜が入ってきた瞬間、その目にぱっと光が差した。

「朔夜、おいで」

藤原のおばあ様が手招きする。

林田朔夜は歩み寄り、ベッドの脇に腰を下ろした。

祖母は彼女の手を取り、そっと叩く。

「おばあちゃんには分かってるよ」

声には、揺るぎない芯があった。

「こんなこと、あんたがするはずない。朔夜は、おばあちゃんを傷つけたりしないよ」

「淑枝は気が立ってたんだろうね。つらい思いをさせたね……」

その一言で、林田朔夜の目元がみるみる赤くなる。

彼女はうつむき、老人の手のひらへ顔を...

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