第43章

雨宮淑は彼女を見つめ、目を弾ませてこくりと頷いた。

「ええ。一緒に食べましょう」

林田朔夜が肩を貸して立たせ、ゆっくり店の奥へ向かう。

藤原承弦はその後ろをついていったが、顔色はどこか硬い。

四人が席に着く。

林田朔夜はメニューを手に取ると、ざっと目を走らせ、店員に淀みなく料理名を並べた。

スズキ、カニ、ウニ、アサリ、それから海市の名物を一品。

注文を取り終えた店員が、ちらりと彼女の顔を見る。

「お客様、海市のご出身ですか?」

林田朔夜は小さく笑った。

「海市育ちです」

「海市」という言葉に、雨宮淑がふっと動きを止めた。

ほんの一瞬のこと。でも、林田朔夜は見逃さなかっ...

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