第47章

林田朔夜はうつらうつらとした意識の底で、藤原承弦の声を聞いた。何を言ったのか理解した瞬間、ばっと目が冴える。

数秒、沈黙してから口を開いた。声は淡々としていた。

「嫌」

藤原承弦の眉が寄る。

「どうしてだ」

林田朔夜は身体を返し、彼を見た。

寝室は暗い。カーテンの隙間から滲むような微光だけが差し込み、彼の顔の輪郭は影に溶けて曖昧だ。けれど、その目だけがやけに鋭く光っている。

「藤原承弦」彼女は言った。「私の子を、隠し子として生まれさせない」

いったん言葉を切る。

「それに、父親がそばにいない環境で育てたくない」

藤原承弦が固まった。

――そうか。

婚外の子が背負うもの...

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