第49章

藤原承弦は彼女をしばらく見つめ、ふう、と息を吐いた。

手を放すと、周防補佐を呼び寄せる。

「周防。今夜の会食、お前と林田朔夜で俺に付け」

周防補佐は一瞬きょとんとしたが、藤原承弦の目配せを受けた途端にハッと我に返り、慌てて何度も頷いた。

地下駐車場。

周防補佐は背筋を伸ばし、恭しく頭を下げながら、林田朔夜と藤原承弦が車に乗り込んで走り去るのを見送った。

額の汗をぬぐい、心の中で舌を巻く。

(社長のアリバイ作りってのは……気が利かねえと務まらねえな、ほんと)

公寓に戻ると、林田朔夜は靴を脱ぎ、いつもの癖でキッチンへ向かおうとした。

その腕を藤原承弦が引き止める。

「俺が作る...

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