第67章

宮本奏夢は悲鳴を上げ、箱を床へ叩き落とした。

ぱかりと蓋が開き、転がり出たのは――切断された手。

それが床を転がるたび、べっとりと赤い筋が引かれていく。

奏夢は、その薬指にはめられた指輪に目を釘づけにしたまま、顔面から血の気を失った。

ジャックの指輪……ジャックの、手。

何度か深く息を吸い、胸の奥に渦巻く動揺を無理やり押し込める。

「エリック」

声を落とす。氷みたいに低い声音。

「調べて。何が起きたのか、全部」

エリックは短くうなずくと、踵を返して足早に出ていった。

宮本奏夢はその場から動けない。

床に転がる「それ」を見つめながら、頭の中だけが凄まじい速度で回り続ける。...

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