第78章

夜は艶めいていた。

カーテンの隙間からこぼれた月明かりが、絡み合う影を淡く照らす。

ときおり、喉の奥で押し殺したような甘い声が漏れて、「……優しくして」と小さな懇願が混じる。

彼はすぐに動きを緩め、少しずつ宥めるように、彼女が慣れるのを待った。

どれほど時間が過ぎたのか。ふたりはそのまま、深い眠りへ沈んでいった。

翌朝。

林田朔夜が目を覚ますと、隣はもう空っぽだった。

腕を動かしただけで、全身がじんわり痛む。昨夜の余韻が、骨の奥まで残っているみたいで。

思い出した途端、朔夜は枕に顔をうずめて、こっそり笑った。しばらく、ずっと。

ふと布団が肩から滑り落ち、肌に散った痕が覗く。...

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