第79章

「……頭、おかしいんじゃないの!」

赤井弦子はいつの間にか車を降りていて、駆け寄るなり曽我義恒を思いきり突き飛ばした。勢いに押され、曽我義恒はよろけて二歩、後ろへ下がる。

「曽我義恒、病院行きなよ! 脳みそ腐ってんの?」

弦子は林田朔夜の前に立ちはだかり、指先で彼の鼻先を突きそうな勢いで叫んだ。甲高く、よく通る声。

「何回言わせるの? 朔夜と藤原社長はうまくいってる。あんたに関係ないでしょ」

「朔夜が藤原社長を捨てて、あんたを選ぶとでも?」

赤井弦子は上から下まで値踏みするように眺め、露骨な嫌悪を隠しもしない。

「何があるのよ。体格も実力も、どこ一つ藤原社長に勝てないくせに……...

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