第88章

雨宮淑は、牧野芳美の厚かましさにまたしても認識を塗り替えられた。

「あなたに?」淑は鼻で笑う。「英子が遺言を残したとき、はっきり言っていたわ。遺言に、あなたの取り分なんて一文字もない」

「なんであんたに渡すのよ。彩枝を陥れた人殺しが!」

牧野芳美の顔色がさっと変わり、反論しようと口を開いた、その瞬間――雨宮淑が淡々と追い打ちをかける。

「それに。どうして私が、彩枝の娘を見つけてないって思ったの?」

その言葉に、牧野芳美も雨宮華も、同時に固まった。

「……は?」牧野芳美は歯ぎしりする。「あんた、彩枝の雑種を見つけたっていうの?」

「雑種?」

雨宮淑の目が、すっと冷える。

「そ...

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