第94章

最初に声を上げたのは、ある若手の科学者だった。彼は自分のブログで、林田朔夜のために「不当だ」と訴えたのである。

曰く――当時の一件は耳にしている。藤原承弦が金と権力で林田朔夜を手元に置いたのであって、彼女に罪はない、と。

だが、その投稿は大きな波にはならなかった。

本当に世間の目を引いたのは、林田朔夜が関わってきた公益プロジェクトが、次々と掘り起こされてからだ。

人々はそこで初めて知る。名の知れた支援事業の裏側に、発起人として林田朔夜の名前が必ずと言っていいほど絡んでいたことを。

この三年間、彼女は数え切れないほど寄付をしていた。

すると今度は、林田朔夜を擁護する声が一気に増えた...

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